アンチエイジングと音楽療法 -2-

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音楽療法コラム -Ⅱ-

アンチエイジングと音楽療法 -2-


ものごとは何事も表裏一体、ストレスに、有害なストレスと有益なストレスが有るように、コレステロールに善玉と悪玉が有るように、おそらく「アンチエイジング」にも、健全な「アンチエイジング」と病んだ「アンチエイジング」が有るのではないか、というのが、音楽療法士としての私の見解です。

人生に努力を惜しんで「アンチエイジング」は難しい。
苦労にメゲないだけじゃなくて、不満をたらたら言わない事だけじゃなくて、もっと何か別の要素が必要な気がします。

とはいえ、努力にもいろいろあって、ただ可愛いだけの女、と言われてしまう人が、中高女子高なんかには必ずいますよね。自分を可愛いと思っている(誰でも多かれ少なかれ思っているものですが)のが、同級生の鼻についてしまう子の事です。実際には、そう批判する側の心の中にも、「可愛いと思われたい」という同じ願望があるものですが、鼻にまでついてしまう人は、可愛く見せる事にしか努力を惜しまず、できればそこにいる人たちの中で自分が一番、極端な場合には、自分だけが愛されているかどうかいつも試して確認したがる人、と見られているようです。
さらに、ちょっと傷つく度に人前で泣いたりするほどまでに「ナルシ」だと、思い通りにならないことを自分以外の者(物)のせいにする、幸福に対して他力本願なところがある人、とも見られているのではないでしょうか。
でもそういう人も、40を越えると、ただの他力本願では、若くは見えなくなってしまうものです。

老化は、何も顔や髪や手や首筋にだけ現れるものではありません。
認知症は、誰もがなりたくないな、と思っている障がいですが、ちょっと振り返ってみてください。
たとえば、そこにあった筈の何かが突然見えなくなったとします。

どこかに置き忘れたのかな、お菓子なら、誰かが勝手に食べちゃったのかな、でも、家には誰もいなかったはず。

そんな時、あなたは、「やだ!まさか…泥棒?」と思って、他にも、金品などが取られていないか、不安になるかもしれません。
近くに住む独立した夫の兄弟が、自分が留守の間にちょこっと帰って来る事はよくあるから、もしかしたら義弟が?という考えも頭をよぎるでしょう。
でも、「泥棒かも!」という考えに囚われた途端に、襲ってきた不安に心を掻き乱され、冷静な判断力が落ちてしまって、家中点検して回ったり、「どうしよう!どうしよう!」という恐怖に駆られて、まず先に確認すべき事が頭から飛んでしまうのです。やがて、たかがお菓子一箱の事でも、同居の家族が帰宅するなり騒ぎ立て、結局、犯人?は義弟だったと解っても、不安に苛まれた感情が収まらずにその事をずっと言い続ける…もしも、こんな経験があったら、要注意です。
もちろん、本当に泥棒の場合がないとは限りません。これも、子どもがちょこっとせしめて行った、とかではなく、本当にお金が盗まれた、とあらば、すぐに警察に連絡しましょう。遠くに逃げられてしまうとなかなか捕まえられません。
でも、そうした深刻な事態ではなく、よく考えれば不安になる前に淡々と解決できる事を、誰かにその不安を訴えたくて騒いでしまうのは、家にいる事が多く、あまり外に出て、多くの他人と交流しない人たちに多く見られる行動のようです。それが傍目に「よくある事」と見えるようになってきたら、初老期のうつや更年期障がいか、認知症につながりやすい脳の萎縮などの予防を始めましょう。

さて、少しいろいろな方向に話を広げてみましたが、若く見える人は、若く見られるように、という努力とはもっと別の努力をしているのではないか、という事をお伝えしたかったのです。
それは、幸福度や不幸度で自分を他人と比較することなく、精神的に自分の足で立ち、

演奏中(ミラー)1.JPG人生や愛に迷いながらも、病気にならずに悩みをちゃんと抱え続ける事ができ、よく考えて、他人に判断を委ねずに自分の力で日々解決を図り、決して諦めず、その目的に協力してくれる人には惜しまず投資もし、苦しくて泣くときはたった一人でたくさん泣き、感情と思考を分けて整理する術を持ち、時には誰の前でも感動の涙を惜しまず、周囲の人々に感謝して、とっておきの笑顔で「ありがとう!」を言える人じゃないかと思うのです。
そういう人は、自ら望まなくても、自然と周囲の中で輝き、「ヒーロー」や「ヒロイン」になれる人です。

そんな人であるためには、心と体を鍛え続けていなくてはなりません。ここが、他人には見えざる努力の部分です。見えなくていいのです。
心にも体にもきちんと栄養を与え、代謝もしなくてはなりません。つまり、スキンケアやデトックスは、心にも必要なのです。

音楽療法と一口に言っても、本来が健全ではない方々の為に発達してきたものなのでいろいろな次元がありますが、「セルフ・ミュージック・セラピー」とも言うべき、「自己治癒力を高めるための音楽療法」の方法論の進展にも、長い目で期待していいと思います。

そしてそのためには、日々ジャンルを問わずさまざまな音楽の演奏に携わり、対象者理解に全力で集中し、体を動かし、体を張って対象者と関わるセッションの中で、まずは一人一人の音楽療法士自身が、音楽療法の「アンチエイジング」効果を実感できる事、語れるようになる事が大切かもしれません。

中井深雪

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