新富弘美術館コンペティション

水彩画家富弘氏の作品を展示する美術館のコンペ提案である。自ら身体的障害を抱えながらも自然の草花を繊細なタッチで描写する富弘氏の詩画作品には、敷地周囲の自然環境の余白にひっそり埋め込まれたような建築がふさわしいと考えた。同時に、デリケートな水彩画への配慮から、展示空間は照度を落とし、間接自然光とスポット照明の併用を想定した。4枚の曲面壁によって囲われた領域は自然環境の延長上にある明るい空間であり、カフェ、オーディトリアム、ショップ等が埋め込まれている。それらの余白を満たすように展示空間は広がっている。そこには表裏2作品に対応した照明付展示ボックスがリズミカルに配置されている。壁面展示とは対照的に、車椅子使用者と健常者双方が独自のペースと自由な経路選択で詩画に慣れ親しむことができる。